SSL Let’s Encryptの証明書を利用している場合Android7.1以前の環境でサイトが閲覧不可に
無料のSSLサーバー証明書のLet’s Encryptを利用している場合、2020年9月29日以降見られなくなる可能性があるようです。
Let’s Encrypt とは?
米国の非営利団体であるISRG(Internet Security Research Group)により運営されており、全てのWebサイトを暗号化することを目指したプロジェクト。
2019年6月現在では世界で1億枚以上の有効な証明書を発行されています。
閲覧不可になる原因は?
Let’s Encryptはルート証明書を自身(ISRG)の認証局のルート証明書(ISRG Root X1)に切り替えようとしていることが原因で、Android7.1以前にはこの「ISRGのルート証明書」が入っていない為、サイトが見えなくなるようです。
現在は、「IdenTrustのルート証明書」を利用しています。
ルート証明書とは?
ルート証明書は認証局が発行する電子証明書で、PCやタブレット、スマートフォンなどの端末に出荷時からインストールされているものです。
Android端末にはSSL通信用ルート証明書を手動でインストールする設定があるので、最悪エンドユーザーが手動で「ISRGのルート証明書」をインストールすれば対応可能なのかもしれません。
ルート証明書の確認方法は別の記事で紹介しています。
延命策は?
「IdenTrustのルート証明書」の有効期限が2021年9月29日までなので、最悪2021年9月29日までは利用可能。
ただし、9月29日以降にLet’s EncryptでSSLサーバー証明書を発行した場合、Android7.1以前の環境で見られなくなる為、オプションでルート証明書をIdenTrustのものを指定する必要があるとのこと。
android OS 各バージョンのシェアは?
Androidの各OSのシェアを調べてみました。
※2020/6時点で11はまだリリースされていないので10までとなります。
OS | シェア (2020/06/30現在) |
---|---|
Android 10 | 21.131% |
Android 9 | 38.782% |
Android 8.1 | 6.392% |
Android 8.0 | 12.219% |
Android 7.1 | 8.231% |
Android 7.0 | 4.627% |
Android 6.0 | 5.189% |
Android 8.0以降のシェアは全体の78.524% 約8割といったところ。
※Android 11が2020年中にリリースされるらしいので、その後変動があるかもしれません。
自動更新を利用している場合の対応策は?
サーバー管理ツールとしてPleskなどを利用している場合、Let’s Encryptの証明書は2ヶ月毎の自動更新になります。この場合はどのように対応するのか?
Pleskの開発元「Parallels」に確認したところ、回避策をサポートすることは決まっているようです。
ただ、どのような対応になるかはまだ未定とのことです。(2020/8/18現在)
2021年まではルート証明書を延命する
Android 7.1以前のシェアは21.476%なので切り捨てても良いと考えるか、切り捨てられないと考えるかは、アクセス解析などでサイトの閲覧ユーザーのOS状況を確認する必要がありそうです。
ただ、延命できれは後1年以上あるので、その頃にはAndroid 7.1以前を切り捨てても問題ない状況になっていると思います。
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